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肉体的(感性的)快楽は続かない

快楽には、肉体的快楽と、精神的な満足の2つがあります。
1肉体的快楽を「感性的快楽」と呼び、
2精神的な満足を「悟性的悦楽」と呼びます。

肉体的快楽(感性的快楽)は続かない。

その証拠に、続かないものが、3つあります。

その3つとは、
第1に、手に入れた対象。
第2に、自分の体。
第3に、自分の心です。

一つ一つ見てみましょう。

まず、第1の、「手に入れた物」ですが、
デカルト、ライプニッツと並ぶ合理主義哲学者、
スピノザが最高善と呼んだ、「富・名誉・官能的快楽」
などの、感覚的な快楽について考えて見ます。

富・財産・名誉等は、永続しません。

スピノザは、『知性改善論』の中で、
名誉欲を次のように批判しています。

名誉欲を満足させるためには、我々の人生を
世人の考え方に合わせなければならない。(スピノザ『知性改善論』)

称賛を博することは素晴らしいですが、
喝采を送る人々の気まぐれによって
惨めな思いをしなければなりません。

軍事機密を守るために造られた、
旧ソ連の閉鎖都市アルザマス16にいた科学者達は、
かつては英雄視され、豊かな生活を送っていました。

しかしソ連崩壊後、核軍縮の中「金食い」と批判され、
次々解雇されました。

世界は刻々と変化してゆきますから、
名誉といってもいつまでも続くわけではありません。

第2に「自分の体」です。
健康が損なわれたら、
物質的幸福はたちまち喜べなくなります。

例えば、末期癌の患者の3分の2はうずき、
痛みを訴えます。

そのすべての人が激しい痛みを経験するわけではありません。

しかし、痛みのために死んでしまいたいと思うほどの
激痛を訴える患者はまぎれもなく存在します。
鎮静剤を打って、頭がボーッとしている間はよいですが、
頭がスッキリしてくるにつれて、
次の注射までの痛みとの闘いが始まります。

安易に薬に頼れば依存症が強まって
より強力な薬を回数を増やして打たねばなりません。

病室で孤独な時間を過ごし、
何回もの筋肉注射で腕はすっかり硬くなっている……。

こんな状態で果たして何が喜びになるでしょうか。

人は90%が病院で死ぬといわれています。
重病で倒れ、全てに裏切られて一人病室で死を待つ、
という運命が誰の身にもおこりうるのです。

第3に、自分の心は続きません。

つまり、欲しいものを手に入れても、
すぐそれがあるのが当たり前になって、
今度はまた別のものが欲しくなり、
喜びは続かないのです。

これについてはすでに詳しく論じました。

このように、手に入れた物、自分の体、自分の心の
どれもが崩れ去り、肉体的快楽(感性的快楽)は続かないのです。

しかも、続かないことを知ると、不安になります。

現代は、グローバル化して、世界中を相手に
激しい競争を戦う激動の世界ですから、
これで安泰、ということはありません。

会社でも、重役で責任が重い人ほど、
他社に追い抜かれたらどうしよう、
という不安が大きいことでしょう。

大きな幸福を手にしている人ほど、
それが崩れたら、という不安は大きくなります。

もっとも、そういう不安を酒や気ばらしで
ごまかしている人もいますから、
どれくらい不安を感じるかは個人差があると思います。

気ばらしによる不安・不幸の忘却は後で扱います。

さらに、死をハッキリ自覚すれば、
何も喜べなくなり、絶望する。

トルストイは、家族、著作という二滴の蜂蜜も、 死という真実の前では、
もはや甘くなかったと言っています。

これについてはすでに述べましたが、
このように、死をハッキリ自覚すれば、
何も喜べなくなり、絶望するのです。

肉体的快楽(感性的快楽)のとまめ

肉体的快楽(感性的快楽)に共通するのは、
刹那的で、ほんの一瞬しか続かない、ということです。

したがって、私たちは、持続する快楽を求めて、
精神的な満足を求めるようになります。

肉体的快楽は、どうしても、
世界の在り方と密接に関係しています。

自分がどんな地位にあるとか、
いくらお金があるとか、
どれくらい体力があるとか……。

しかし、この世に常住のものはありませんから、
やがて必ず感性的快楽を享受できなくなる時が来ます。

そこで世界がどうであろうと、
自分一人で喜べる精神的な満足が求められるのです。

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今回、仏教をもとに
人生の本当の意味を解明するため、
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ただし、この内容は、哲学者たちからすれば、
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